プロの塗装屋が暴露!お得にぬりかえできちゃった♪
- 八頭塗装スタッフ
- 2024年2月17日
- 読了時間: 3分
更新日:3月18日

インターネット、チラシでは「外壁塗装工事1式598,000円!」や「498,000円!」など、非常に安い価格の広告が目立ちます。一見「この価格ならお得!」と思えるかもしれませんが、しっかりとした施工を行う塗装店であれば、以下のような内訳の費用がかかるため、これほどの低価格はあり得ません。安さの裏側には、人件費や材料費を極端に削り、結果として安全性・耐久性が低下するリスクが隠れています。
2. 598,000円の場合の内訳(例)
実際に、598,000円の工事代金に対して、適正な施工を行う場合の一般的な内訳は以下のとおりです。
足場諸々(約15%)安全で効率的な施工に不可欠な足場。→ 598,000円 × 15% = 約89,700円
コーキング諸々(約15%)外壁の目地処理やシーリングなど、施工品質に直結する作業。→ 598,000円 × 15% = 約89,700円
塗料(約15%)シリコン塗料、養生資材、その他消耗品。→ 598,000円 × 15% = 約89,700円
作業人工(約30%)塗装職人作業。→ 598,000円 × 30% = 約179,400円
経費・儲け(約25%)会社運営に必要な固定費(事務、管理、車両費、保険など)および利益。→ 598,000円 × 25% = 約149,500円
3. 円グラフで見る内訳

※このグラフは各項目の費用割合を視覚的に示しています。特に「足場」「コーキング」「塗料」と「塗装作業人工」は、施工品質に直結する重要な部分です。
4. 職人の日当の具体例
【足場作業(鳶工)の場合】
足場の組立と解体には、通常2~3人工ずつ、合計6人工が必要です。
足場代89,700円を6人工で割ると、1人あたり約14,950円となります。
この金額で、安全かつ迅速な作業を行うには、非常に厳しい水準です。
【その他の作業(雑工、シーリング工、塗装工)の場合】
現場作業として、雑工2人工、シーリング工4人工、塗装工14人工、計20人工が必要とされます。
作業人工にあたる179,400円を20人工で割ると、1人あたり約8,970円になります。
仮に22日間働いた場合、月給は約196,900円となり、業界平均より極端に低い水準です。
5. 激安価格のしわ寄せ
低価格(598,000円)で施工する業者は、以下のようなコスト削減を行っている可能性があります。
人件費の削減
経験の浅い、または低賃金の職人を起用
作業工程の省略や手抜き施工(例:本来3回塗るべきところを2回にする)
現場監督を配置せず、作業員に裁量を任せる
材料費の削減
安価で品質の低い塗料の使用
塗料の希釈率を過剰に上げる
養生資材や消耗品の質や使用量の削減
これらの削減は、見かけ上はコストダウンにつながりますが、結果として施工の耐久性・機能性に悪影響を及ぼし、後々の不具合につながるリスクが非常に高くなります。
6. まとめ
適正な外壁塗装工事には、足場諸々、コーキング諸々、塗料、作業人工など、各工程に必要な費用がしっかりと確保されています。特に足場諸々(15%)と作業人工(30%)は、施工の安全性と品質に直結するため、これらを削減すれば長期的な耐久性に大きな問題が生じます。
「外壁塗装工事1式598,000円!」という激安広告は、これらの重要な費用が大幅にカットされている可能性が高く、安さに飛びつくと、施工の品質や安全性が犠牲になり、後々のトラブルリスクが高まる危険性があります。
業者選びの際は、提示された価格だけでなく、内訳や施工体制、実績を十分に確認することが、信頼できる選択につながります。